先日、オンライン瞑想会「夜会」のあと、懇親会をやりました。
30人近くのみなさんが全国から集まってくださり、
とてもいい時間を過ごすことができました。
みなさん本当にありがとうございます。
そのときに、瞑想についての感想や質問をいただきお答えしていたのですが、
みなさんそれぞれ、疑問に思うことがあるようです。
そこで今日はジョン・カバットジン博士(マインドフルネスの提唱者)の
『マインドフルネスストレス低減法』という本の中にある
「7つの態度」についてご紹介していこうと思います。
本当は読んでいただくのがいいのですが、ちょっと要約しつつ、ご紹介(^^)
興味が湧いたら、みなさんもぜひ読んでみてください。読みやすい本です。
〈マインドフルネス瞑想法に取り組む7つの態度〉
1. 自分で評価をくださないこと
2. 忍耐強いこと
3. 初心を忘れないこと
4. 自分を信じること
5. むやみに努力しないこと
6. 受け入れること
7. とらわれないこと
1. 自分で評価をくださないこと
瞑想に取り組んでみて、
「とても気持ちがよかった。スッキリした」という方もいれば、
「すぐに思考があちこちに行ってしまう」
「うまくできてるのかどうかわからない」
「やっていて落ち着かなくなる」などなど、いろんな感想をいただきます。
でも、それが人間というものなのです(^^)
うまくできない、効果が感じられない、と「評価する自分」にまずは気づいてください。
もし呼吸法をやっているときに評価している自分に気づいたのなら、
そこにとらわれたり、反応したりするのではなく、浮かぶままにまかせましょう。
そして、呼吸の観察を続けていきましょう。
2.忍耐強いこと
先に触れたような評価する自分も、いろんな思考が浮かぶ自分も、
落ち着かない自分も、すべて現実です。焦っても、イライラしても、
そういう体験をする余裕を自分に与えてください。
本の中で、ジョン・カバットジン博士は言います。
「忍耐は、“心とは勝手にさ迷い歩くものということを受け入れる必要はあるものの、
その動きにいちいちつき合う必要はない”ということを教えてくれます。
(中略)ものごとにはそれなりの時間の経過が必要であるということをよく理解し、
受け入れるということなのです」
自分に起こっていることすべてを受け入れていきましょう。
3.初心を忘れないこと
瞑想においては「初心を忘れない」ことが大切です。
あらゆる事柄を、初めて見たときと同じように受け止めることができるでしょうか?
たとえば、あなたが親しい人に会う時、その人を新鮮な目で見られるかどうか。
これまでのことに基づいた、自分の思い込みで見ているということはないか、
ぜひ観察してみてください。
家族、会社の人、ペット、見慣れた景色といったすべてのものに、その態度で接してみましょう。
瞑想会では、同じ呼吸法、瞑想法を毎回することもあります。
そのとき、初めてやる気持ちで取り組んでいただけたらと思います。
4.自分を信じること
何かを始めるとき、「いまは先生の言うとおりにまずはやってみよう」
という態度は、ある程度大切だと思います。
日本には茶道から来た守破離という言葉もありますし、
コーチングでは、コーチャブルという言葉もあります。
まずは、師匠から習った型を守るということですね。
反面、瞑想では「自分の感覚を信じる」ということがとても大切なのです。
自分の身体や心を観察し、今にいる。
より自分に近づくために行うのが瞑想ですから。
みなさん、自分の直感や判断をもっと信頼していいと思います。
本には次のように書いてあります。
「あなたは、誰かのようになることはできません。
人は“より自分らしくなる”ことしかできないのです。
(中略)注意集中力を養うトレーニングをとおして、
自分自身であることに責任をもち、自分の中の声に耳を傾け、
自分という存在を信じる、ということを学んでいかなければなりません。
そして、自分が信じられるようになればなるほど、
ほかの人への信頼感も生まれ、ほかの人の良さも見えてくるようになるのです」。
私がここで書いていることも、瞑想をリードすることも、
みなさんにとっては道しるべにすぎないということを覚えておいてください。
5.むやみに努力しないこと
なんでも目的意識をもって努力することがいいとされていますね。
でも瞑想においては、目的意識や努力は手放してください。
ときには障害にさえなります。
瞑想とは、何もしないこと。ただあなた自身として存在することが、
ゴールだからです。
目標設定や努力は手放し、今という瞬間に注意を集中する、すべてを受け入れる。
それに規則正しく、忍耐強く取り組んでいさえすれば、
ゴールはおのずと近づいてくる、ということです。
6.受け入れること
先にも「受け入れてみましょう」と書きましたが、
受け入れるという言葉のイメージや概念は、
もしかしたら人によって違うのかもしれませんね。
瞑想においては「今あるがままに見る」という態度。
喜びや怒りといったあらゆる感情も、時には身体の痛みも、苦痛も、
まずは受け入れることです。
それを「ないもの」として否定したり、
自分を変えようとしてみたりするから苦しくなるのです。
まずはありのままを受け入れ、観察してみましょう。
7.とらわれないこと
とらわれない、という言葉も、わかるようでわかりづらいところがあるかもしれませんね。
本には次のようにあります。
「内的体験に注意を払うようになると、
どうしても自分の心に入りこんでくる考えとか思いがあることに気づかれるはずです。
それが楽しいことなら、できるだけ長い時間引き延ばし、
何度も何度も呼び起こそうとするでしょう。
また、それが不愉快で、つらく、恐ろしいことならば、
できれば忘れたい、ふれたくないと思うでしょう。
(中略)自分の心が何かにとらわれたり、
何かを追いやろうとしていることに気がついたら、
そういう衝動を意識的に解き放って、そのあと、
どんなことが起こるかを観察するようにしてみてください」
とらわれた事実を深追いしたり、無きものにするのではなく、
手放すことを意識的にしてみるということですね。
毎晩、眠るときに私たちは無意識のうちにとらわれを手放しているようです。
ということは、不眠の症状がある場合、瞑想の訓練をすることは意味があるかもしれません。
ただ、「不眠を解決する」という目的意識をもって取り組むのは避けたほうがいいでしょう。
以上、ちょっと長くなりましたが、ご紹介しました。
あなたの瞑想のヒント、道しるべとしていただけたらうれしいです。
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