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脳科学者の中野信子さんが、
『自己肯定感が高まる脳の使い方』という本の中で、
「日本人は、自己肯定感や自己効力感がもともと低いタイプが多い」
ということを書いていました。
これにはさまざまな説があるそうですが、
東アジアの国では、集団で稲作をして食糧の安定供給をすることで、
社会構造や権力機構が長く続いてきたことが大きい、というのです。
日本では、環境適応や生存戦略のうえで、
集団に合わせるタイプのほうが生きやすく有利だったのです。
東日本大震災のとき、多くの人が集まる避難所でも秩序が保たれる日本に、
海外から称賛が集まりました。
このあたりに秘密があるかもしれません。
それに対して、なぜヨーロッパなどでは個人主義の人が多いのか。
それがちょっとタイムリーな話題なのですが、
「感染症」の存在が考えられるというのです。
ヨーロッパはいろんな国が地続きでつながっていますし、
きれいな水が手に入りにくいため、
人が集まっているとあっという間に感染してしまう。
ですから集団で何かをする人は生き残れず、
自分の行動は自分で決めることが生存するために必要だった、
というわけです。
中野さんは、「自己肯定感は意外に生まれつき」だとも書いています。
不安を感じやすい脳を持っているのかもしれず、
そういうことは遺伝で決まってしまったりもするそうです。
そしてそれは、自分次第で、意識の持ち方次第で変えることができるそうです。
興味のある方は、本を読んでみてくださいね。
ところで、そもそもの「自己肯定感」という言葉ですが、
ちょっと誤解している人が多いんですよね。
コーチングはビジネス寄りのものというイメージもあるようですが、
じつは子育てに悩んでコーチングの勉強を始める人はたくさんいるんです。
自分の子どもに、「これなら人に負けない、というものをみつけてほしい」
「もっと自信をつけてほしい」と願って子育てをしてきたはずなのに、
「うちの子は自己肯定感が低い。なぜでしょうか?」とおっしゃる方はとても多い。
なぜでしょうね……。
じつは、「人と比べて自分はできる」というのは、
自己肯定感というよりは、「優越感」なのです。
小学校、中学校で優等生だった子は、
高校は当然、優秀な進学校に行きますので、
そこでは自分より優秀な子がたくさんいます。
そこでまた優等生になれる子は一握りです。
そこで自信を失ってしまったとしたら、その子にあったのは自己肯定感でなく、
周りと比較することによる優越感だったということです。
優越感と劣等感はワンセットで、状況次第で行ったり来たりするということです。
ほんものの自己肯定感というのは、状況次第で変わってしまうものではなく、
「どんな自分であってもOK」という感覚だと思います。
最初にご紹介した中野さんが、自己肯定感をどう定義されているのかは、
本では触れていなかったのでわかりませんが、
自己肯定感が低い、ということは必ずしも悪いことではないと思います。
でも、状況次第の優越感を求めるのではなく、
もっと自分を幸せにする生き方をする選択をしていきたいですね。
そのことがほんものの自己肯定感につながるのではないでしょうか?
私はコーチングや瞑想を通して、自分の心、そして身体を注意深く観察することで、
自分を幸せにする生き方を選択することができると感じています。
あなたとご一緒できるのを楽しみにしています。
「コーチング、マインドフルネスのことなら大阪のEsprit(エスプリ)へ」
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